カメムシは、家庭菜園や農作業をしている人にとって厄介な害虫です。
特にきゅうりは、カメムシが寄ってくる原因となる特徴を多く持っており、放置すると葉や果実を吸われ、最悪の場合、食べられなくなることもあります。
この記事では、カメムシがきゅうりに集まる原因や、植物を守るための対策方法について詳しく解説します。
具体的には、カメムシを寄せ付けない方法や効果的な農薬、さらにはカメムシを即死させる手段まで、状況に合わせた対策をご紹介します。
きゅうりをカメムシの被害から守るため、この記事を参考にしていただければ幸いです。
この記事で以下のことが分かります。
ポイント
- カメムシがきゅうりに寄ってくる原因
- きゅうりをカメムシから守るための具体的な対策方法
- コーヒーを使ったカメムシ駆除
- カメムシ対策に使える農薬
きゅうりのカメムシ対策
- カメムシがきゅうりに寄ってくる原因
- 植物を食べられないようにするための対策
- カメムシを寄せ付けない農薬の種類
カメムシがきゅうりに寄ってくる原因
カメムシがきゅうりに寄ってくる主な原因は、きゅうりがカメムシにとって非常に魅力的な食料源だからです。
カメムシは、植物の汁を吸う習性を持っており、特にきゅうりのような瑞々しく柔らかい植物が好物です。
きゅうりの葉や果実は水分が多く、栄養も豊富なため、カメムシにとって効率よく栄養を摂取できる理想的な食料です。
また、きゅうりの表面は比較的柔らかく、カメムシが口針を刺しやすいことも寄ってくる一因となっています。
さらに、きゅうりの栽培環境もカメムシにとって適していることが多いです。
カメムシは温暖で湿度の高い環境を好みます。そして、きゅうりの栽培時期は夏から秋にかけて、この条件と一致します
この時期はカメムシの活動が最も活発になるため、自然ときゅうりに集まるようになります。
加えて、カメムシは一度栄養源を見つけると、そこに集団で留まる傾向があります。
特にきゅうり栽培が連作されると、その畑はカメムシにとって「確実な食料がある場所」と認識されやすくなります。
その結果、同じ場所に毎年集まることもあります。
このように、カメムシがきゅうりに寄ってくる理由は、きゅうりがカメムシにとって栄養価が高く食べやすい植物であり、なおかつ栽培環境が彼らの生息に適しているためです。
植物を食べられないようにするための対策
キュウリなどの家庭菜園でのカメムシ対策はそれぞれありますが順に紹介します。
防虫ネット
カメムシの被害を防ぐためには、まず防虫ネットなどの物理的な対策が有効です。
特に目の細かいネットを選ぶことで、小さなカメムシの侵入も防止できます。
また、黄色の粘着板を設置する方法もあります。
カメムシは黄色に引き寄せられる習性があるため、これを利用して捕獲することが可能です。
草刈り
次に、畑や庭の周辺に雑草が多いと、カメムシの隠れ家となり、発生しやすくなります。
定期的に雑草を刈り取り、清潔な環境を保つことで、カメムシの発生を抑えられます。
木酢液
さらに、木酢液を希釈して植物に散布するのも効果的です。
カメムシは木酢液の匂いを嫌うため、忌避効果が期待できます。
木酢液について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
農薬
しかし、これらの対策だけでは不十分な場合、農薬の使用を検討することもあります。
例えば、「ベニカ水溶剤」は、カメムシに対して効果的な殺虫剤として知られています。
この薬剤は植物に浸透し、長期間効果を発揮します。
ただし、農薬の使用には注意が必要で、適用作物や使用方法を守ることが大切です。
また、過度な使用は環境への影響や他の生物への被害を引き起こす可能性があるため、必要最低限の使用にとどめることが望ましいです。
捕まえる
慣れれば比較的簡単に捕獲できますが注意が必要です。
直接手で捕まえると、カメムシは防衛本能で悪臭を放ちます。
そのため、ガムテープなどの粘着性のあるもので捕獲する方法が推奨されます。
カメムシはゴキブリやハエと違って動きが遅いので簡単に捕まえられます。
他にはペットボトル捕獲機を作るのもおすすめです。
ペットボトル捕獲機については以下の記事をご覧ください。
総じて、カメムシ対策には防虫ネット、雑草の除去、木酢液などの忌避剤、さらには必要に応じた農薬が有効です。
カメムシを寄せ付けない農薬の種類
カメムシは農作物に被害を与える害虫で、効果的な農薬の使用が求められます。
主な農薬として、有機リン系、ネオニコチノイド系、ピレスロイド系があります
有機リン系ではマラソン乳剤、ネオニコチノイド系ではダントツ粒剤、ピレスロイド系ではアディオン乳剤が知られています。
マラソン乳剤
マラソン乳剤は、有機リン系の殺虫剤で、幅広い作物や害虫に対して効果を発揮します。
即効性があり、使用後短時間で害虫の駆除が期待できます。
有効成分はマラソン(化学名:O,O-ジメチル S-[1,2-ビス(エトキシカルボニル)エチル]ホスホロジチオエート)で、昆虫の神経系に作用し、速やかに効果を示します。
適用範囲は果樹、野菜、花卉など多岐にわたり、アブラムシやハダニなどの害虫に有効です。
使用時の注意点として、残効性がほとんどないため、薬液が直接害虫にかかるよう丁寧に散布することが重要です。
また、一部の害虫には抵抗性が確認されているため、効果が見られない場合は他の薬剤を検討する必要があります。
さらに、ウリ類やトマトの苗には薬害の可能性があるため、育苗期の使用は避けることが推奨されます。
マラソン乳剤は、適切に使用すれば効果的な害虫駆除が可能ですが、使用前にラベルをよく読み、用法・用量を守ることが大切です。
また、他の農薬との併用やローテーションを考慮し、抵抗性の発生を防ぐ工夫も必要です。
ダントツ粒剤
ダントツ粒剤は、住友化学株式会社が製造・販売するネオニコチノイド系の殺虫剤で、有効成分としてクロチアニジンを含んでいます。
この農薬は、アブラムシやコナジラミ、ウンカ、ヨコバイ、カメムシ、アザミウマなど、幅広い害虫に対して高い効果を発揮します。
また、ハモグリバエやシンクイムシなどにも有効で、多種多様な作物に適用可能です。
ダントツ粒剤の特長として、浸透移行性に優れている点が挙げられます。
植物の茎葉から吸収され、全体に行き渡るため、葉の裏側にいる害虫にも効果を発揮します。
さらに、残効性が長く、一度の散布で効果が持続しやすいことも利点です。
一方で、使用時の注意点も存在します。ミツバチやマルハナバチなどの有益な昆虫に対して毒性があるため、これらの昆虫が活動する時間帯や場所での使用は避けるべきです。
特に、受粉を目的としてミツバチを放飼している農場や、周辺で養蜂が行われている地域では、関係者と連絡を取り、影響を最小限に抑える工夫が必要です。
また、水産動植物、特に甲殻類に対しても影響を与える可能性があるため、河川や養魚池への薬剤の飛散や流入を防ぐことが重要です。
アルカリ性の強い農薬との混用は避け、使用前には必ずラベルや使用説明書を確認し、適切な方法で使用してください。
ダントツ粒剤は、その高い効果と幅広い適用範囲から、多くの農家にとって頼りになる農薬です。
しかし、使用時の注意点を守らないと、環境や有益な生物に悪影響を及ぼす可能性があります。
適切な使用方法を守り、安全で効果的な農業を実践しましょう。
アディオン乳剤
アディオン乳剤は、住友化学株式会社が製造するピレスロイド系の殺虫剤で、淡黄色の澄明な可乳化油状液体です。
この農薬は、果樹や野菜など幅広い作物に付く害虫の防除に効果を発揮し、速効性と残効性に優れています。
登録されている適用作物は70種類以上にのぼり、多くの農家で利用されています。
有効成分であるペルメトリンは、昆虫の神経系に作用し、速やかに駆除効果をもたらします。
そのため、アブラムシ類やカメムシ類、シンクイムシ類など、多様な害虫に対して高い効果を示します。
また、適用作物ごとに希釈倍率や使用時期が細かく設定されており、適切な使用方法を守ることで、効果的な害虫防除が可能です。
一方で、使用に際してはいくつかの注意点があります。
まず、作物ごとに定められた使用回数や希釈倍率を厳守する必要があります。
例えば、ももでは収穫7日前までに2000〜3000倍に希釈して散布し、使用回数は6回以内とされています。
これらの基準を超えると、作物への影響や残留農薬の問題が生じる可能性があります。
さらに、アディオン乳剤はミツバチなどの有益な昆虫にも影響を与える可能性があるため、散布時期や方法に配慮が必要です。
特に、開花期の使用は避けることが推奨されます。
また、環境への影響を最小限に抑えるため、周辺の水源や非対象植物への飛散を防ぐ工夫も重要です。
総じて、アディオン乳剤は多くの作物に対する害虫防除に有効な農薬ですが、使用方法や注意点を十分に理解し、適切に使用することが求められます。
農薬の使い方についてはこちらを参考にご覧ください。
きゅうりのカメムシ対策|その追加情報
以下カメムシや駆除方法についてのおまけ情報を述べています。是非最後までご覧ください。
- なぜカメムシ駆除にコーヒーが効くのか
- カメムシときゅうりは匂いが同じ?
- カメムシを即死させる方法は?
- きゅうりのカメムシ対策:まとめ
なぜカメムシ駆除にコーヒーが効くのか
カメムシの駆除にコーヒーが効果的であることをご存じでしょうか?
コーヒーに含まれるカフェインが、カメムシの神経系に作用し、忌避効果を発揮します。
さらに、コーヒーの苦味成分がカメムシの嗅覚を刺激し、近寄りにくくさせるとされています。
詳しくは以下の記事をご覧ください
カメムシときゅうりは匂いが同じ?
カメムシの匂いは、きゅうりの匂いと似ていると感じる人が多いです。
これは、両者に共通する化学成分「トランス-2-ヘキセナール」が含まれているためです。
この物質は青葉アルデヒドとも呼ばれ、植物が傷ついたときに放つ青臭い香りの主成分として知られています。
カメムシは、外敵から身を守るためにこの匂いを放出します。
一方、きゅうりにも同様の成分が含まれており、独特の青臭さを持っています。
そのため、カメムシの匂いを嗅いだときに、きゅうりの匂いを連想する人が多いのです。
ただし、カメムシの匂いは非常に強烈で、不快に感じる人が多いです。
一度手や衣服に付くと、なかなか取れないこともあります。
一方、きゅうりの匂いは食材として親しまれており、爽やかな香りとして好まれています。
同じ成分を含んでいても、濃度や他の成分との組み合わせにより、私たちの感じ方は大きく変わります。
興味深いことに、パクチー(コリアンダー)もカメムシと同様の匂い成分を含んでおり、そのため「カメムシ草」と呼ばれることもあります。
パクチーの独特な香りを好む人もいれば、苦手とする人も多いですが、これも匂い成分の感じ方の違いによるものです。
まとめると、カメムシときゅうりは共通の匂い成分を持っているため、匂いが似ていると感じられます。
しかし、カメムシの匂いは防御手段としての強烈なものであり、きゅうりの爽やかな香りとは異なる印象を与えます。
カメムシを即死させる方法は?
カメムシが家に入った場合は匂いを放つ前に即死させたいところです。
ただし、適切な手段を選ばないと、カメムシが刺激を受けて悪臭を放つことがあります。
以下に、効果的な駆除方法とその注意点をまとめました。
殺虫スプレーの使用
カメムシコロリ等の市販のカメムシ専用殺虫スプレーは、即効性があり効果的です。
カメムシに直接噴射すると、短時間で駆除できます。ただし、カメムシは外殻が硬いため、効果が現れるまで時間がかかることがあります。
そのため、動きが止まるまで噴射を続けることが推奨されます。
ただし、殺虫剤の成分は人やペットに影響を及ぼす可能性があるため、使用場所や方法に注意が必要です。
凍結スプレーの活用
凍殺ジェットなど、殺虫成分を含まない凍結スプレーは、カメムシを急速に冷却し、即死させることができます。
この方法は、悪臭を発生させにくい利点があります。
ただし、植物にかかると枯れる恐れがあるため、屋外での使用には注意が必要です。
ペットボトルを使った捕獲
ペットボトルを加工して捕獲器を作り、カメムシを直接捕まえる方法もあります。
捕獲後、内部に中性洗剤を入れておくと、カメムシが溺れて駆除できます。
この方法は、殺虫剤を使用しないため、安全性が高いですが、手間がかかる点がデメリットです。
注意点
カメムシを叩いたり、掃除機で吸い込んだりすると、刺激を受けて悪臭を放つことがあります。
特に掃除機で吸い込むと、内部に臭いが残り、掃除機自体が臭くなる可能性があります。
そのため、直接的な物理的刺激は避け、上記の方法を活用することが望ましいです。
きゅうりのカメムシ対策:まとめ
記事のポイントをまとめます。
- カメムシがきゅうりに寄る原因は栄養価と柔らかさ
- きゅうり栽培の温暖湿潤環境がカメムシを引き寄せる
- 防虫ネットでカメムシの侵入を防げる
- 雑草の除去はカメムシの隠れ家を減らす
- 木酢液を散布するとカメムシを忌避できる
- 農薬を使用する際は用法と環境に注意する
- ベニカ水溶剤はカメムシ駆除に効果的
- 捕獲にはガムテープやペットボトル捕獲器が便利
- コーヒーのカフェインがカメムシを忌避する
- 濃いコーヒー液をスプレーすると駆除効果がある
- 乾燥させたコーヒーかすも忌避剤として使える
- カメムシの匂いはきゅうりの匂いと似ている
- 農薬には有機リン系、ネオニコチノイド系がある
- 凍結スプレーはカメムシを即死させやすい
- 直接的な刺激はカメムシの悪臭を引き起こす